しかし、最近のシリコンバレーの様子は昔と少し変わってきているようです。
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変わるシリコンバレー
シリコンバレーと言えばベンチャー企業の聖地というこちで、誰もが知っていると思います。
1990年からの情報革命から、新しいアイデアを持った企業がどんどんと現れて、ベンチャーキャピタルや投資家はITのながれに乗ろうとどんどん新しい事業にどんどん資金を投入していった。
これがバブルとなり膨れ上がって、数々のスタートアップを生み出していったのは事実だ。
ベンチャーキャピタルは二つの側面をもつ、企業に資金を提供して、ネットワークを巧みに利用し投資先の企業を成功に導いていくいい側面と、ベンチャーキャピタルが投資先の長期的な成功を考えるよりも、短期的な利益、たとえば株式上場によるものを求めている場合だ。
そのため、創業者と投資家の間にしばしば戦いが生じていることも少なくはない。
従って、創業者はお金は欲しいが口出しはできるだけしたくないし、投資家にハンドルを握られたくないので、ベンチャーキャピタルの利用は最小限にしたいというのが本音だ。
これまでは、ベンチャー企業の創業者たちは株式上場を出口に考えて起業するケースが多かったが、今は少しちがう。
株式上場を目指すのではなく、比較的早い時期に、別な会社に買収してもらおうという作戦の会社も多い。フェイスブックやGoogle、Amazonなどだ
最初から、facebookに抜けている分野、Googleに抜けている分はは何かと考えて立ち上げる企業も増えている。
Googleによる買収
例えば、Googleが2016年に買収した会社をあげる。
Apigeeを6 億2500万ドル(700億円)で買収
API※(Application Programming Interface)管理プラットフォームを提供するApigee Corporation(本社:カルフォルニア州サンノゼを買収。顧客には薬局チェーンWalgreens、AT&T、BurberryTなどの多数の企業を含んでいます。これによりAPI市場でかなり有利に立つことになります。
Eyefluence 買収金額は未公開
Eyefluenceは2013年創業のベンチャー企業で、目のトラッキングシステムを開発している会社です。
ヘッドマウントディスプレイを装着する際に目の動作だけで、マウスの代わりになるという素晴らしい技術。
Moodstocks
Moodstocksはフランスの会社で、画像解析のスタートアップです。2016年の7月の買収でしたが、この2週間前にtwitterが動画・画像解析の機械学習のMagic Ponyを買収していて、それに対抗する形になっています。
API.AI
API.AIはだれでも自然言語を使うbotを作ることができるAPIで、現時点で15ヵ国後に対応しています。
30億のAPIリクエストを処理しており、使用したことのあるデベロッパーは6万件以上だとか。
こんな風に、SNS、人工知能系、モバイルなどなどの新技術をどんどん買収していってます。
facebookによる買収
Masquerade
Masqueradeはベラルーシのスタートアップ企業で、撮影した動画をユニークなフィルターにかけることができて、その技術は世界でトップレベルです、これによりfacebook内での動画の編集などが飛躍的に拡張されると予想されます。過去に3億ドルでの買収に失敗した「snapchat」への対抗だと考えれますね。
Eyegroove
Eyegrooveはミュージックビデオを作成できるアプリです。クラウドの音源を元に19秒のミュージックビデオをフィルターを通して編集することができるのです。最近のSNSではヒット曲のアレンジをした音楽が流行っていてこれを意識しての買収だと考えられます。
FacioMetrics
FacioMetricsはカーネギーメロン大学の学生が立ち上げた顔画像解析のスタートアップで、目的として拡張現実、ゲーム、医療、ロボット工学を対象とした、感情認識です。
同社は、顔画像解析の需要の高まりからの設立をしているので、facebookによる買収によって素晴らしい前進があるとしています。
Zurich Eye
Zurich Eyeはチューリッヒ大学のメンバーによるコンピュータビジョンカンパニーです。
facebook傘下のVRのOculusに加わるということで、VRにとってはボジショントラッキングはかなり大事なものらしく、今後の改良で役立っていく予定だそうです。
Amazonによる買収
Element Technorogies
Element Technorogiesは動画処理技術のスタートアップ
EVI
EVIは音声認識アプリを開発しているスタートアップ
AmazonのEcho Showの疑惑
AmazonのEcho Showというデバイスをご存知だろうか?これはビデオ通話が売りの人工知能内蔵スマートスピーカー。
マイクに呼びかければ通話先を洗濯して、家族や親戚などでビデオ通話を楽しむことができる。
https://youtu.be/WQqxCeHhmeU
こんな具合に
これ自体は素晴らしい製品だ。
しかし、実はNucleusというスタートアップが、このAmazon Echo Showの前にこのアイデアを実現している。
経緯はこんな感じ、NucleusはAmazonのファンドから570万ドルの融資を受けて、このプロトタイプをAmazonに作ってもらっている。
実はこういったことは昔からたくさんある。大きな会社が小さな会社のアイデアをコピーしてより大きなマーケットで販売していくと。どんなにいいアイデアを持ってスタートアップしても、資金力で大きな企業がそれ以上の製品をつくってすでに持っているマーケットで販売していくと、こうなってくるとスタートアップは大きな企業に買収されて終わるという結末を取らざるをえないのかもしれない。
まとめ
イノベーションを生み出し続けてきたシリコンバレーですら、スタートアップを成功させて大きな企業へと単独で成長していくのは難しい時代なのかもしれない。
今、世界を動かしている企業はいずれも大きなマーケットを構築して販売網を持っている。
そして、インターネットを使った事業は原価が低く、利益率が高い。
その資金を使ってどんどん新しいテクノロジーを持った企業を買収してさらに売り上げを伸ばす。
このシステムが完全に出来上がってしまった。
もしも、Googleやfacebookを超える企業を作るのであれば、テレビからインターネットにインフラが映ったようにインターネットから次のインフラに移り変わる時に、既存の大企業以上のマーケットを構築するしかないだろう。
2029年のプレシンギュラリティーを目指した市場争いがすでに世界では始まっているのかもしれない。
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